崖の上のポニョ

 2008年7月19日に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画崖の上のポニョ 動画宮崎駿による2004年の『ハウルの動く城』に続く4年ぶりの作品で2001年公開の『千と千尋の神隠し』以来7年ぶりです。
 本作は海沿いの街を舞台に、「人間になりたい」と願うさかなの子・ポニョと5歳児の少年・宗介の物語。 本作はハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『人魚姫』(1836年発表)をモチーフとした作品とされている。しかし、『人魚姫』をそのまま原作としては使用しておらず、宮崎は「キリスト教色を払拭」するとしたうえで、舞台を現代の日本に移すなど大きな変更を行っている。ただ、ヴェネツィア国際映画祭での記者会見では、宮崎から「製作中に『人魚姫』の話に似ていると気付いたものの、元来意図的にベースとしたわけではない」という旨の発言も出ている。なお、同記者会見において宮崎は、ポニョ発想のルーツを質問され「9歳の頃初めて読んだ文字の本がアンデルセン人魚姫であり、そこにある『人間には魂があるが、人魚は"物"であり魂を持たない』という価値観に納得が行かなかった事が、遡ればポニョの起点なのかもしれない」と答えている。

本作では、天変地異が起こっても、理由が説明されることなく、ファンタジーと現実社会が入り混じった物語構成となっている。この点について、宮崎は「ルールが何にも分からなくても分かる映画を作ろうと思った」「順番通り描いてくと、とても収まらないから思い切ってすっ飛ばした」「出会って事件が起きて、小山があって、最後に大山があってハッピーエンドというパターンをずっとやってくと腐ってくる、こういうものは捨てなきゃいけない」と話している。

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